「中学に入って、もう一人、すげぇ仲良くなったダチができたんだ。幼なじみとはまた違う、えーっと、あ、親友だ親友。俺と司とその親友で、よくつるんでた。毎日、楽しかったんだ」
深月は、「でも」と続けて話す。
「ある日の昼休み、クラスの奴が階段から突き落とされたんだ。突き落とされた奴は足を折っちまって病院に運ばれたんだけど、親友が、突き落とした犯人を見たって言ったんだ」
深月と司の表情が、過去を明らかになっていく度に歪んでいく。
なんとなく、これから深月が言う言葉が、わかってしまった。
「『司が落としたところを見た』って」
一瞬、息をするのを忘れた。
それくらい、心臓が悲鳴を上げていた。
「司はそれまで一度だって人を貶すようなことはしてなかったし、いつだって模範になるような態度を取って、先生も生徒も頼りにしてた。俺の幼なじみはこんなにすげえんだぞって自慢したくなるくらい、いい奴だったんだ」
深月は爪痕が残るほど強く、自分の手を握り締めた。



