律も気になっているようで、「僕も聞きた~い」と手をあげる。
深月は、自嘲するように目を細めた。
「……しょうがねぇな」
髪をかきながらそう言った深月。
「じゃあ、特別に教えてやるよ」
この部屋を取り巻く空気が、ガラリと変わった。
どこか悲しげで、切なくて、儚くて。
その中には何かが潜んでいるような、そんな感じがした。
「黙って聞いてろよ。これから話す、昔話を――」
ゆっくりと、深月の目が閉じられる。
まるで、過去に遡るように。
私は、そんな深月から目を逸らすことなく、真っ直ぐに見つめていた。
視界の端に映った司の表情は、なぜか深月よりも辛そうで。
律は、何かを悟ったように目を伏せていた。



