危険地帯




ドク、ドク、と高鳴る鼓動が身体に響き渡る。


全身の血が、引いていく。


地獄に落ちてしまったような気分だ。



「羽留、どうした?」



私の様子がおかしいことに気づいた深月は、振り返って私の顔を覗き込む。


どうもしてないよ。


大丈夫だよ。


そう言っているつもりになるくらい、私の心は不安定になっていた。



「羽留?」



笑顔が、作れない。


時間が止まってしまったみたいに、何もできなくなる。



「……羽留」


「!」



深月の私を呼ぶ声に、そっと耳をすます。


震えが止まらない私の手を、深月の大きな手のひらがギュッと包み込んだ。