深月は、「まあ」と続けて話す。
「忍者じゃなく、俺に濡れ衣を着せた奴の策略だと思ってたけどな」
「濡れ衣?……あぁ、黒龍の総長がクスリを売ってるってやつか」
「お前、どうせ全部知ってんだろ?誰がその噂を流したのか、吐け」
忍者の胸ぐらを掴んだ深月。
脅迫するような口ぶりに、忍者は両手を上げる。
「教えた後、殴ったり蹴ったりすんのは無しだからな?」
「あ?」
「俺が喧嘩弱ぇの知ってんだろ?この前ボコボコにされて、数日歩けなかったんだからな」
「だから?」
「暴力反対ってこと!それにさ……」
忍者は、深月の耳元に口を寄せた。
「俺に暴力振るって、困るのはあんたらだぜ?」
「は?どういう意味だ」
「俺を殴ったら、そこの女……山本羽留だっけ?そいつの情報を流すって意味さ」
わざと深月にしか聞こえないくらいの囁き声で脅した忍者。



