私の問いかけに、その場にいた全員が驚いた。
それはもちろん、自分の存在に気づかれても飄々としていた忍者も同じで。
忍者は、右耳についているドクロのピアスを、いじり始めた。
「……気づいてたんだ」
ボソッと呟いた忍者に、
「それじゃあ、どうして姿を現さなかったの~?」
と、尋ねた律。
「俺が、忍者は十番の倉庫にいるって噂を流したんだ。お前ら黒龍と神雷の情報を得るためにな」
だから、隠れていたの……?
二つの族が喧嘩することになるように、仕向けたってこと?
フツフツと、激しい怒りがこみ上げてきた。
けれど、
「そんなことだろうと思ってたぜ」
ため息混じりに言った深月の冷静さが、私の怒りを鎮火した。



