私は、胸に渦巻く不吉な予感に気づかないまま、繁華街を離れた。 夕日の眩さが、目に染みた。 「羽留、おそ~い!!」 黒龍のたまり場に戻り、地下に降りると。 しゅんとした顔の律が、出迎えてくれた。 「ご、ごめん」 「探しに行こうと思ってたところだよ~」 そんなに心配してくれていたんだ。 私は、もう一度謝った。 「約束通り、ダーツしてくれたら許すけど~?」 「するする!ダーツしたことないけど、する!」 「じゃあ、やろ~!」 律の声に食い気味に言った私に、律は機嫌よさそうに笑った。