律の隣に座った、まだ不機嫌そうな深月も。
目の前にいる、はにかんでいる律も。
隣にいる、大人びた表情をした司も。
澄んだ瞳で、私を見ていた。
その闇を感じない眼差しは、私の傷だらけの心を包んでくれた。
もう一度「ありがとう」と言おうとした瞬間。
ゴーンゴーン、と古い時計の鐘が鳴り、真夜中零時を告げた。
私は有無を言わせず、意識が失くなった。
「ふふっ♪」
すぐに開かれた、薄い赤に染まった目。
――ワタシのご登場よ♪
いつもならワタシが目醒めると、三人は警戒してワタシのそばから離れるんだけど。
今日は違うようね。
三人とも、ワタシのそばを離れることなく、平然としていた。



