司にお礼を言うと、司は穏やかな笑みを向けた。


博さんみたいな笑顔だなぁ。



「えへへ」


「どうした?」


「あったかいなあ、って」



こんな些細なことで笑みがこぼれて、幸せを感じて。


皆に恐怖心を抱いていた頃が懐かしくなる。



「……ありがとう」



何度も、何度も。


明日も明後日も、これから先もずっと。


皆に、感謝したくなる。



「本当に、ありがとう」


「こっちこそ、ありがと~」



いつの間にか、口論を止めていた律が、私の真向かいに座って、お礼を返した。