一歩ずつ下りていく足が、重い。
深く呼吸を繰り返して、できるだけリラックスしようとしたけど、無理だった。
「今戻った」
ソファに座っている律と司に短い報告をした深月。
「あ、リーダーおか……って、え!?」
「遅かっ……た、な」
二人とも、ソファに座らずに立っている私に気づいて、目を丸くして固まった。
想像通りの反応に、私は俯いた。
「あれ?僕、幻覚でも見てるのかな~?」
「いや、俺にも見えてる」
二人は、私がここにいることが信じられない様子で。
目をこすったり、何度も瞬きをしたりしていた。
「こいつが、病院を抜け出してでも、まだ俺らと一緒にいたいんだってさ」
長い足を組んでそう言った深月に、二人の目がさらに見開かれる。



