黒龍という監獄から出る鍵を与えよう。 囚われの女よ、逃げるがいい。 俺達はお前にとって、魔王か何かだろ? 離れていくお前を追ったりなんかしない。 だから安心して、恐れずに逃げてくれ。 俺は、脳裏の片隅に、淡い期待を抱いていた。 律が言っていた「もしも」が 現実となったその時は――。