危険地帯




もしも、ここで「嫌だ」とはっきり拒否できたら。


もしも、私が強かったら。


もしも、タイミング良くここに警察が来たら。



何か、変わっていたのかな。




「……ち、誓い、ます」




こんな、屈辱的な思いをせずに済んだのかな。


今までと同じ、ありがちな普通すぎる日常を過ごせたのかな。



家族にいろんな感情を隠しているどこにでもいる高校生に、戻りたい。



今は、相良深月の言葉を信じるしかできない。


これが間違った答えだとしても。


いや、多分、ここに“正解”なんてない。



私が「助けて」と叫んでも、きっと誰も助けてはくれない。


私はもう、黒龍という名の監獄の中。