危険地帯





「でも喧嘩を嫌がっていた羽留ちゃんが、どうして自ら喧嘩を……」


「喧嘩?これのどこが?」


「どこがって、誰かを傷つけてる時点で同じでしょ?」



豹変したワタシに困惑しながら言う雫さん。


バカ言わないでくれる?


これは、喧嘩じゃないわ。



ワタシは、喧嘩なんてしない。


私が嫌がることは、絶対にしないの。


ただ、ちょっと殺気を出して脅かして、心優しい私に傷をつけた罪を罰するだけ♪




「――これは、当然の報いよ」




ワタシは、こめかみに流れる血に触れた。


ヌメヌメしていて気持ち悪くて。


指についた私の血を見ていると、無性に腹が立つ。



ワタシがどれだけ怒っていると思っているの?


私の襲った痛みが、どれだけのものと思っているの?


本当なら、ここにいる全員を殺して、この倉庫を血で染めたいくらいよ。


まあ、私に嫌われたくないし恨まれたくもないから、しないんだけどね♪



指についた血を、ペロリと舐めた。