危険地帯





そのタブーとは――深月が傷つくとわかっている言葉を選んで、深月に言ってしまったこと。


心の傷は、すぐには治らない。


深月に“信じること”についてとやかく言うことは、“私”の存在を否定することと同じこと。



「私はそのタブーに気づいたから、二人が闘ってる場所に走っていったの。この意味がわかる?」



……わからないでしょうね。


私の精一杯の優しさと勇気になんか、気づきもしないでしょうね。



そりゃ、そうよね♪


あなた達は、私が司の手を止めるまで、闘うことに無我夢中だったのだから。


タブーにも気づかないくらいだしね。



「別にいいのよ?意味がわからなくたって。でもね、喧嘩して勝負がついて終わりだなんて思わないで♪」



誰かを傷つけた分だけ、痛みは返ってくる。


誰かを傷つけたら、誰かが悲しむ。


自分の中の何かを犠牲にしていることも気づかず、拳を振るっている。


力の使い方を一歩間違えば、犯罪になってしまう。



闘いに、喧嘩に、価値なんてない。