危険地帯





「ナイフを使って、何する気だよ」



そう聞いてきたのは、恭弥という人。


ワタシは、表情を緩めて、




「深月と神雷の総長の、両手首を切り落とすに決まってるでしょ♪」




と、答えてあげた。


元はといえば、二人が喧嘩を始めたせいで、私が苦しんだんだから。


当然のことでしょう?



私を殴った、神雷の総長の拳。


自我を失いかけた深月の、鉄パイプを持っていた右手。


それだけではワタシの怒りは収まらないから、反対の手も。


それでもダメだったら、足首も。



もう二度と誰かを痛めつけることのないように、切断してしまいましょう。



「なんでそんなこと……!」


「彼らが私を傷つけたからよ♪」


「たまたま当たっちまっただけだろ?」


「そうだよ。いきなり突っ込んでいったそっちにも非はあるよ!」



正論のように聞こえる、恭弥という人と蜜という人の言葉。


でも、ワタシにとってはただの雑音。