繁華街に向かう道の途中。



「……忍者?」



三人が、情報源として探そうとしている人物を「忍者」と呼んでいて、思わず聞き返してしまった。


忍者って、あの忍者?



「俺達が探そうとしてる情報屋の通り名だ」



そう説明してくれた司。


なんだ、通り名か。


てっきり、手裏剣とか使う本物の忍者かと思っちゃったよ。




「ほら、羽留も会ったことあるでしょ~?」


「え?」


「羽留と初めて会った時、僕らがリンチしてたあの男だよ~」



律の言葉で、思い出した。


黒龍の暴力事件を見てしまい、黒龍のそばにいなければならなくなったあの日のことを。


そして、傷だらけだった、栗色の髪の男のことを。