カラン、とアイスティーに入った氷が揺れる。
深月はアイスティーをまた一口飲むと、アイスティーの入ったグラスを置いた。
「下っ端が捕まった方は、否定するも何も、そうかもしれねぇじゃん?」
「え?」
「だからー、俺の影響でクスリを使い始めた奴がいるかもしれねぇだろ?」
それって、黒龍の総長に憧れて自分も“悪”くなろうって思って、クスリを使った人がいるかもしれないから、何も言わなかったってこと?
逆に、そんな人いないかもしれないのに?
そんな自分を犠牲にするようなことを、どうしてできるの?
「リーダー、過大評価しすぎ~」
「お前ほどじゃねぇよ」
律が笑いながら言うと、深月はすかさず言い返した。
「お前さ、黒龍を甘く見すぎなんじゃねぇの?」
深月は私に冷たく言い放つと、またアイスティーを飲み始めた。



