司とは正反対に、律は深月の話を前のめりになって聞いていた。



「じゃあ、なんで釈放されたの~?」


「証拠不十分だとさ。あと、証言の食い違いがあったらしい」



律と深月が話しているところに、私は深月の前にアイスティーを置いた。



「あ、あの……!」


「ん?」



早速アイスティーを一口飲んだ深月に、私は思い切って話しかける。


深月は視線をこちらに向けて首を傾げた。



「どうして、さっき何も言わなかった、ん、です……か?」



どうしても気になったことを聞こうと勇気を振り絞って声をかけたけど、私の勇気は消えやすいらしい。


小さくなっていった私の声が、ちゃんと深月に届いたか心配になる。



「さっきって……下っ端の奴らが捕まったのは俺のせいみたいなこと言われたやつ?それとも、クスリをやってるとか売ってるとか言われた方?」



今まで忘れてたかのような言い方に、つっこみたくなった。


が、私はその気持ちを抑えて、「どっちも」と答えた。