深月は動揺することなく、警察の人を見据える。



「なんか用か、おっさん」



深月の名前を叫んだ黒髪の男が、他の二人の警察よりも一歩前に出て、挑発的な態度の深月を睨む。



「やっと見つけたぞ……」


「俺は逃げも隠れもしてねぇよ?」


「署に来い!」



黒髪の男が、他の二人の警察に「捕まえろ」と指示した。


どういうこと?



「チッ、やっぱりか」



舌打ちをした深月は、なぜか抵抗しなかった。


簡単に、警察に捕まってしまった深月。


どうして深月だけが捕まるの?


現状についていけていない私とは違い、何もかもわかっているような顔をしている深月は、ハッと笑った。