危険地帯




え、え、えぇぇ!?


……ん?待てよ。


これは信じていいのか?


嘘かもしれない。というか、嘘でしょ。



私のことが嫌いじゃなくなったのは、本当っぽいけど。


だって、今、律は心から笑っているから。



「だから、デートしようよ」


「でも、深月に言われたじゃん。留守番だ、って」


「深月と司が戻ってくる前に、ここに帰ってくればバレないよ~」



また私をデートに誘ってきた律。


気づけば、いつの間にか階段を上っていた。



「で、でで、でも」



バレたら、怒られるんじゃ……?


私の声なんて聞こえていない律は、鼻歌を歌いながら先を行く。


どうしよう。


私じゃ、今の律は止められないよ。