あっという間にチョコプリンを平らげた律は、前髪をいじりながら、横目に私を捉える。
「どうして、嫌いなの……?」
「気になる?」
聞き返してきた律。
私は、黙ってコクンと頷く。
数秒悩む素振りを見せた律は、仕方なさそうに眉を下げて、
「大サービスだよ」
と、口元に人差し指を添えて囁いた。
律の瞳が、ゆらりと揺れる。
「――僕、孤児院育ちなんだ」
女嫌いになった理由を語り始めた律の第一声はそれで。
聞いた後に、律の過去に踏み込んでいることに気づいた。
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