聞くなら今しかない、私の中の何かがそう言っていた。


ずっと、感じていたことがある。



「なあに?」



律の瞳を見て、笑顔を見て、もしかして、と思っていた。


それが今日、確信に変わった。




「本当は女が嫌いなんでしょ?」




女に対して物柔らかな態度を取るくせに、女とデートするくせに、女に見せる笑顔はいつだって作り物で、律の瞳は鋭く尖っていた。


それは、私も例外ではなかった。


初めて会った時からずっと気づいていた。


私やアイツを見る律の目が、いつも真っ黒だったことに。



「もし嫌いだったら、どうする~?自分が嫌いって言われてるようで傷ついちゃう?」



律は、肯定も否定もしなかった。


でも、私にはなぜだか「あんたのことも嫌いだよ」と言っているように聞こえた。