危険地帯




よし!


とばっちりを受ける前に、深月のあとを追うことにしよう!


嫌な予感がして、そう決めた直後――。




「ごめんね~。今日は、この子とデートするから~」




律が私の腕を掴むと自分の方に引き寄せて、私を後ろから抱きしめた。


黒髪の女とブロンドの女の口論を止めた、律の爆弾発言。


それは、私の意思関係なく、私を巻き添えにした。


嫌な予感が的中してしまった……。



「律、どういうこと!?」


「だって、今日はあたしとデートする約束だったじゃん!」


「この子は特別だから~」



いやいや、何言ってんの?


特別って何!?


私は、律とデートするつもりはないんですけど!?


ダブルブッキングをした律が悪いのに、私を困らせないでよ!



……と、口では言えないから、心の中で大声で叫んでやった。