――到着した繁華街は、多くの人で賑わっていた。
不良や派手な女の人、仕事帰りのサラリーマン、同い年くらいの子までいた。
「あ、律ぅ~!おっそーい」
ネオンの光で目立つとあるお店の看板の前にいた、ブロンドの髪をくるくるに巻いている女の人が、律を見かけると駆け寄ってきた。
「どうしたの~?」
「どうしたの、じゃないよ!今日デートする約束でしょ」
「そうだっけ」
キョトンとした顔をする律を見て、私は呆れる。
もしかして、デートのこと忘れてたのかな?
「そうだっけって、ひっどーい」
ブロンドの髪の女は、上目遣いで律を見つめながら頬を膨らませた。
あはは、と乾いた笑顔を顔に貼り付ける律に、
「先行ってるぞ」
と、ため息を吐きながら言った深月は、本当に律を置いて、行ってしまった。



