危険地帯




彼らは、私の命なんてどうでもいいんだ。


自分が生きていれば、楽しければ、他の人がどうなったって関係ないんだ。



『――あんたなんて、』



警告音に混じって、また、幼い私に向けて言った“声”が聞こえた。


指をパチンと鳴らしたら、音も声も全部全部、泡となって失くなればいいのに。



私が生きている意味は、何?


雫さんが見つけられたソレを、私も見つけられるの?



本当は最初から、私の存在理由なんてものは無いんじゃないのかと、思ってしまう。



誰も、私が生きていることを喜んではくれない。


私が死んでも、悲しんではくれない。



現に、携帯には未だに誰からも連絡が来ていない。




アイツは、こんな空っぽな私を愛してくれる。


アイツは、決して私を見放さない。



――アイツだけは、私を心配してくれる。