思わず薬を塗っていた指を止めてしまった。
「本当は、さっきのゲームにはもう一つのルートがありました。さて、それはどんなルートでしょう?」
もう一つのルート?
私は少し考えたけれどさっぱりわからなくて、首を傾げる。
黒龍が本当に負けちゃうルート、とか?
「……はーい、時間切れ~」
「どんなルートなの?」
「それはね~」
律はニヤリと微笑み、目を鋭くさせて私を見つめた。
心臓が、ざわつく。
「先代総長がリーダーじゃなくて、羽留を狙うルートだよ」
わざとらしく明るく答えを言った律。
え……?
思考が、ピタリと止まった。



