迷惑かもしれないけど、今私ができることはこれだけだから。
こんなことで信用されるとは思ってない。
だけど、行動しなきゃ何も変わらない。
博さんがそう教えてくれたんだ。
私にはまだ、三人が怖い人にしか見えない。
でも、信用を得るにはもう少し一緒にいなくちゃいけない。
だったら、縮こまってないで、三人に接しなきゃいけないと思ったの。
本当はたまらなく怖い。
包帯を巻く手が震える。
喉の奥が締め付けられているようで、息をうまく吐き出せない。
何もできないという思いを消したら、こんなにも自分の心が揺れ動いてる。
「じゃあ、足の方もよろしく」
茨の道を抜けて、ずっと閉じこもっていた籠から一歩出ると、そこは全く別の世界。
初めて見た、深月の柔らかな笑み。
瞬間、パアッと光が飛び散って、見たことのない色が広がった。



