危険地帯






元黒龍の人達が廃ビルから去っていき、私達は地下に戻った。


三人は地下に戻ってすぐ、ソファでくつろぎ始めた。



「はぁ、疲れた」


「先代相手に容赦ねぇな、お前ら……」


「司だって同じじゃ~ん」



さっきまで喧嘩をしていたとは思えないくらい、和やかな空気が漂う。


私一人だけが取り残されたような気分になった。



先程の喧嘩を、思い返していても仕方ない。


恐怖を感じているだけでは、今までと何も変わらない。



私のすべきこと。私ができること。


それらを見つけて、ひとつひとつ積み重ねて。


いつか、“私”を信じてもらおう。



気づけば、私は、



「あ、あの!」



一歩踏み出すように、声を出していた。