でも……。
黒龍は、私に“全て”を見せてくれるの?
いつだって偽って、欺いて、感情的になって、たまに死神のように感じる彼らが隠している姿を、見つけられるの?
「大丈夫。恐怖を勇気に変えて、頑張って」
俯く私の頭をポンと撫でた博さんは、そう言って私を励ましてくれた。
私は、博さんの言葉をそっと心の中の宝箱へと大事にしまっておいた。
コーヒーを全て飲み終えた頃、
「博!私も手伝うよ」
店の奥からエプロンをつけながらそう言ってカウンターにやってきたのは、見知らぬ女の人。
さらっとなびいた胸元まであるサラサラの長い黒髪、つぶらな瞳、モデルみたいなスタイル。
思わず見とれてしまうほど、綺麗な人。