「別の男って言っても、妹の彼氏よ。昨日、その子の浮気現場に出くわしたの。『もう妹と別れて』とか余計なことを言っちゃって……まるで小姑みたいな自分に、うんざりしてたとこ」 雅人は「ふーん」と黙って聞いていた。 思わず言ってしまったけど、せっかくのデートの会話には相応しくないなぁと、後悔した。 けど、返ってきたのは意外な言葉だった。