少し冷たくなった秋風に、乾いた音が響き渡った。

渉は、何が起こったかわからない、という風に立ち尽くしている。



「いいって言ってるでしょ。もう私たち姉妹に近づかないで」



自分でもびっくりするぐらい大きな声だった。

私は無心で掴まれた腕を振り払って、逃げるように走り去っていた。