「どこ?ここ……」


真っ暗になった目の前が、ぱっと明るくなった。


立っていたのは知らない部屋。

青いカーペットに、ダークブラウンのフローリング。

シルバーの足が綺麗な机には何冊もの教科書やノート。


あとはベッドとカラーボックス、いくつかの小物が置いてあるくらいで、結構すっきりとした部屋だった。


配色なんかを見る限りは、男の人のものっぽい。


わけがわからない私は、そのまま立ち尽くし……え?


「え? 千夏……?」


突然聞こえた声に、私は思わず振り向いた。

そこには、ドアに手をかけながら不思議そうな顔をする雅樹がいる。


「雅樹……。え……? 何でだろう、私……?」

「いや、俺もわかんないよ。
何でこんな所にいるの?別に、千夏がいて都合が悪いことはないんだけど……」

「ここ……雅樹の部屋なの?」

「うん。今は風呂に入ってて……。戻ってきたら、千夏がいたから……さ。
それに、千夏さ、透けてるし、浮いてる……」