転機
文化祭も終わってようやく落ち着いてきた10月。
少し寒くなりブレザーを着るようになった。
その頃、花音の学校ではある動画が流行っていた。
「やっぱり‥橋村さんのピアノすごいよね!」
「感動するよ!」
「俺、橋村さんのファンになりそう!!」
‥と学校を歩くだけでそう言われたり、クラスの子達からも言われた。
それもこれも全部、あの文化祭で誰かが動画をとり、それをYouTubeで流したからだ。
再生回数もすごいことになっていた。
最近は近所でも話しかけられることが多くなった。
「これは‥すごいね。再生回数、1万回越えちゃったよ。」
結ちゃんも動画を見ながらそんなことを言った。
「全然、すごくなんかないよ。」
そう言うと結ちゃんは笑った。
「またまた、謙遜しちゃって。‥でも以前と比べて花音の表情、やわらかくなったよね?」
「そ‥そう?」
「やっぱり、千明のおかげなのかな?」
「‥うん。‥千明くんのおかげ‥。楽になった。」
あの日の千明くんの言葉が忘れられない‥。
「いいなぁー!私も‥一緒になれたらいいのにな‥。」
結ちゃんがしみじみと言った。
「あっ!ご‥ごめん。そんなつもりじゃ‥」
「気にしないで花音。花音は千明といつも通りにしてたらいいよ。‥にしても、これはすごいわ‥。」
また結ちゃんの目は動画に戻った。
この騒ぎはいつになったら終わるのか今の私には分からなかった。
「ただいまー。」
私が家に入った時、電話がなった。
私は電話に出た。
「もしもし?」
「あっ!やっと出た。こうやって話すの久しぶりね花音。」
それは花音の母、詩音(しおん)だった。
「うん。久しぶり、お母さん。」
私は嬉しかった。
「ところで花音。お母さん、あの動画見ちゃった。」
「えっ?あの‥動画‥て?」
私は少し嫌な予感がした。
「花音が文化祭でピアノをひいてる動画よ。花音、いつの間にかすごく上手くなったわね!お母さん、嬉しいわ!」
「あ‥ありがとう‥。」
「それで‥留学の話なんだけど‥」
私はお母さんの言葉をさえぎった。
「私は留学する気なんてない。勉強するんだったら私は日本で勉強がしたい。」
はっきりこんなにも主張したのは初めてだった。
「‥そっか‥。花音はしたくないか‥。」
お母さんのがっかりした声が聞こえてきた。
このがっかりした声に私も胸が少し痛んだ。
「‥うん。ごめん。」
ここでお母さんは衝撃的なことを言った。
「実はさ‥この動画を世界的、ピアニストのエレーナに見せたの‥。」
「えっ!!?エレーナてあのチゲル・エレーナ!?」
チゲル・エレーナとは女性ピアニストで世界で活躍している人だ。
私が憧れているピアニスト。
「そうよ。あの、チゲル・エレーナよ!たまたま仕事が一緒だったから、花音の動画見せたの。そしたら‥留学して弟子にならないか?だって。これ本当の話よ。」
「‥エレーナが私と‥?」
「そう。花音は外国でも結構、有名なのよ。エレーナは花音と一緒にできる日を待ってるて言ってたわ。‥どうする花音?留学してエレーナの弟子になる?お母さんとしてはあの世界的ピアニストの弟子になるなんて最高のことだと思うわー。」
「‥‥‥‥‥。」
私は何も考えられなかった。だって、あの世界的ピアニストの弟子になるなんて‥
「花音聞いてる?留学、それでも嫌だったらいいの。じゃあ、またね花音‥」
「ちょっと待ってお母さん!!!」
いつもより大きな声が出た。
「ちょっと、考えさせてくれないかな。混乱してて‥すぐには決められないから‥ごめん。」
文化祭も終わってようやく落ち着いてきた10月。
少し寒くなりブレザーを着るようになった。
その頃、花音の学校ではある動画が流行っていた。
「やっぱり‥橋村さんのピアノすごいよね!」
「感動するよ!」
「俺、橋村さんのファンになりそう!!」
‥と学校を歩くだけでそう言われたり、クラスの子達からも言われた。
それもこれも全部、あの文化祭で誰かが動画をとり、それをYouTubeで流したからだ。
再生回数もすごいことになっていた。
最近は近所でも話しかけられることが多くなった。
「これは‥すごいね。再生回数、1万回越えちゃったよ。」
結ちゃんも動画を見ながらそんなことを言った。
「全然、すごくなんかないよ。」
そう言うと結ちゃんは笑った。
「またまた、謙遜しちゃって。‥でも以前と比べて花音の表情、やわらかくなったよね?」
「そ‥そう?」
「やっぱり、千明のおかげなのかな?」
「‥うん。‥千明くんのおかげ‥。楽になった。」
あの日の千明くんの言葉が忘れられない‥。
「いいなぁー!私も‥一緒になれたらいいのにな‥。」
結ちゃんがしみじみと言った。
「あっ!ご‥ごめん。そんなつもりじゃ‥」
「気にしないで花音。花音は千明といつも通りにしてたらいいよ。‥にしても、これはすごいわ‥。」
また結ちゃんの目は動画に戻った。
この騒ぎはいつになったら終わるのか今の私には分からなかった。
「ただいまー。」
私が家に入った時、電話がなった。
私は電話に出た。
「もしもし?」
「あっ!やっと出た。こうやって話すの久しぶりね花音。」
それは花音の母、詩音(しおん)だった。
「うん。久しぶり、お母さん。」
私は嬉しかった。
「ところで花音。お母さん、あの動画見ちゃった。」
「えっ?あの‥動画‥て?」
私は少し嫌な予感がした。
「花音が文化祭でピアノをひいてる動画よ。花音、いつの間にかすごく上手くなったわね!お母さん、嬉しいわ!」
「あ‥ありがとう‥。」
「それで‥留学の話なんだけど‥」
私はお母さんの言葉をさえぎった。
「私は留学する気なんてない。勉強するんだったら私は日本で勉強がしたい。」
はっきりこんなにも主張したのは初めてだった。
「‥そっか‥。花音はしたくないか‥。」
お母さんのがっかりした声が聞こえてきた。
このがっかりした声に私も胸が少し痛んだ。
「‥うん。ごめん。」
ここでお母さんは衝撃的なことを言った。
「実はさ‥この動画を世界的、ピアニストのエレーナに見せたの‥。」
「えっ!!?エレーナてあのチゲル・エレーナ!?」
チゲル・エレーナとは女性ピアニストで世界で活躍している人だ。
私が憧れているピアニスト。
「そうよ。あの、チゲル・エレーナよ!たまたま仕事が一緒だったから、花音の動画見せたの。そしたら‥留学して弟子にならないか?だって。これ本当の話よ。」
「‥エレーナが私と‥?」
「そう。花音は外国でも結構、有名なのよ。エレーナは花音と一緒にできる日を待ってるて言ってたわ。‥どうする花音?留学してエレーナの弟子になる?お母さんとしてはあの世界的ピアニストの弟子になるなんて最高のことだと思うわー。」
「‥‥‥‥‥。」
私は何も考えられなかった。だって、あの世界的ピアニストの弟子になるなんて‥
「花音聞いてる?留学、それでも嫌だったらいいの。じゃあ、またね花音‥」
「ちょっと待ってお母さん!!!」
いつもより大きな声が出た。
「ちょっと、考えさせてくれないかな。混乱してて‥すぐには決められないから‥ごめん。」


