「‥‥っ‥ここはどこ?」
私は目がさめた。
「あっ!花音、目が覚めた?ここは保健室だよ。」
声のする方を見ると、結ちゃんがいた。
「本当にびっくりしたよ。だって、あんなすごい演奏した後に倒れちゃうんだもん。」
「そ‥そうなんだ‥。‥私、ここまで歩いてきたの?」
記憶が全然なかった。
「違うよ。千明が花音をここまで運んだの。今はもう、後夜祭の方に行ってるかな‥。」
ここで私はあの約束を思い出した。
「‥結ちゃん‥。ねぇ‥今、何時?」
「今は17時35分だよ。後、10分で後夜祭が始まるよ。」
「い‥行かないと!!結ちゃん、行こう!」
私は結ちゃんの手をひっぱった。
「えっ‥!で‥でも体は大丈夫なの?」
「うん!もう大丈夫!行こう!」
そう言って私は結ちゃんと一緒に運動場に向かった。
運動場に行くとたくさんの人が集まっていた。
その中には千明くんの姿もあった。
「あっ‥!私、千明くんのところにいってくるね!」
そう言って私は、千明くんのいる場所に向かった。
「よかった。間に合った!」
「うん。そうだな‥。」
なぜか千明くんの声が冷たいように感じた。
「‥何か、怒ってる?」
「別に‥怒ってなんかねぇよ。」
千明くんはなぜか花音の方を向かなかった。
何かある‥
「ねぇ、千明くんこっち向いてよ」
私は思い切って千明くんの顔を両手ではさんで私の方へ向かせた。
「痛いから!!離せよ!」
千明くんに初めて怒鳴られて私はびっくりした。
それだけではない。千明くんの左の口の端には絆創膏がはられていた。
「千明くん‥その傷‥。‥どうしたの?」
「‥なんでもない。転んだだけだから。」
「もしかして‥私が‥演奏後に倒れたせい?」
「‥‥‥‥。」
千明くんは何も言わなかった。
否定しないてことはそういうことだった。
「‥ごめん。心配かけて。‥保健室に運んでくれてありがとうね。」
「別にそんなんじゃない。たまたま見てただから。勘違いするなよ。」
いつもと感じの違う千明くんの態度に少なからず私も少しムッとするところがあった。
「‥何をそんなに怒ってるの?‥言いたいことがあればちゃんと言ってよ!黙ってたら、千明くんが何に怒ってるかわかんないよ!」
すると千明くんが真っ直ぐ、私を見て言った。
それもすごく悲しそうに‥


