朝食後、結ちゃんは帰りの用意をし始めた。

「もうちょっと、ゆっくりしててもいいんだよ?」

もうちょっといてほしくて私はそんなことを言った。

「もう、十分すぎるくらい楽しんだから私は満足だよ。それに長いこといるのも迷惑だろうしね。」

「そっか‥。また、遊びに来てね。」

「うん。ありがとう!お世話になりました!」



結ちゃんは荷物を持って、玄関に行った。

「本当にありがとうね。花音。楽しかったよ。」

「私も楽しかったよ。また、お泊まり会しようね。」

「うん。それとさ‥私‥樹生のこと、諦めないことにした。‥何度も好きだって言うことに決めた。」

結ちゃんの決心だった。

「そっか。頑張ってね、結ちゃん。」

「うん。じゃあ、いろいろありがとう!また、学校でね!あっ‥見送りはここで大丈夫だから。またね!」

「バイバイ!」

結ちゃんはドアの向こうに行ってしまった。


また、一人になってしまった私はリビングに戻った。するとLINEに通知が来ていることに気がついた。

それは、千明くんからだった。



明日の夏祭り、永神(ながかみ)神社の鳥居のところで18時、集合ね!



と言う感じの文だった。




わかった!その時間に行きます。


私も返事を返した。



「‥私もそろそろ決めないとな‥。」

私も結ちゃんみたいに強くなりたいて思った。








恋する夏祭り


カラカラカラ


う~。やっぱり歩きにくい。私服の方がよかったかな‥。

夏祭りと言えば、浴衣だと思い。浴衣を家の中から探しだした。そして、スマホをみながら浴衣を着てみたのだ。


‥やっぱり、変かな?千明くん笑っちゃうかな‥。

千明くんが笑ってしまうことを想像し絶望に暮れてしまっていた。

気がつくとまわりには着物を着た人がたくさん、歩いていた。


鳥居につくともう、千明くんは待っていた。


「ち‥千明くん!」

私は思いきって千明くんの名前を呼んだ。

「おぉ‥。‥えっ!!花音、それ‥。」


やっぱり‥

「浴衣‥着てみたの‥。やっぱり変だよね!着替えてきます!」

そう言って帰ろうとしたが‥

ガシッ

千明くんが私の腕を掴んだ。

「すっげーかわいい。‥俺はそのままの方がいい。似合ってるよ花音。」

千明くんは顔を真っ赤にさせながら言った。