「体育祭かー。この時期暑いし嫌なんだよね。」

「でも結ちゃんバスケ部でしょう?体力あるしいいじゃない。」

「だめだめ。外の部活と中の部活一緒にしちゃ駄目だよ。私は外なんかでやる趣味はないよー。」

結ちゃんが手を振りながら言った。

「そっか。でも羨ましいな。私なんてスポーツ苦手で何にも出来ないんだもん。」

「花音は大人しいもんね。スポーツ出来ない分、勉強できるしいいよね。中間テストよかったし。ねぇ、いつ勉強してるの?」

「わ‥私はそんなに勉強してないよ!ちょっと復習する程度で、あ‥あとはピアノ弾いているだけだから。」

「そう言えば花音は天才ピアノ少女だったよね。」

「‥‥その呼び名はちょっとやめてほしいな‥。別に私は天才なんかじゃないよ。」

「ごめんごめん!!そんなに怒らないで!」

結ちゃんが笑いながら言う。

「結ちゃん、絶対悪いて思ってないでしょうー!」

私はふざけて結ちゃんをぽかぽかと叩いた。

するとそこへ‥。

「おーい!また来たぞ☆‥て何やってんだ?結て、もうそんな年か?」

笹川くんが来てそんなことを言う。はたから見たら私が結ちゃんの肩を叩いているように見えたのだろう。

「し‥失礼ね!!それ女子に対するセクハラよ!訴えてやる!!」

顔を赤くして怒る結ちゃん。

それを笹川くんがさらっと返す。

「だって結てさ男の中の男だろ?いつも暴れてるもんなー。」

空気が凍るのを感じてしまった。

ゆ‥結ちゃーん‥おーい‥。‥やばい、これはやばい‥。結ちゃんが怒ってる‥。

「ちーあーきー。」

「おっ!やるのか?受けて立つぞ!」

笹川くんが眼鏡をふちを上げ、戦闘態勢に入っていた。

私は思わず言っていた。

「さ‥笹川くん!!結ちゃんを煽らないで!」

‥と言っても誰も聞いてくれない。