桐谷さんはスポーツ少女て感じの女の子だ。現にバスケットボール部で活躍している。

前を歩く桐谷さんのポニーテールが揺れていた。私はいつの間にか言っていた。

「私は‥桐谷さんはダイエットする必要ないと思うよ。」

桐谷さんが振り向いた。

「えっ?」

「だって、桐谷さんは桐谷さんなんだよ。私はありのままの桐谷さんを見てもらった方がいいのかなて思って。私は今の桐谷さんでいいと思う!」

沈黙が流れてしまった。

「あ‥えーと、ご‥ごめんなさい!その‥えらそうなこと言って‥。」

フッ 笑う声が聞こえた。見ると桐谷さんは笑っていた。

「いや、ありがとう。そう言ってもらえるとは思わなかった。そうだよね。これが私なんだから無理して変える必要なんてないんだよね。本当にありがとうね!」

そう言うと桐谷さんは走って教室に戻っていった。

私は教室に必要な物だけを取りに行ってそのまま音楽室に行った。
今日はだれもいなかった。さみしいような気分だった。

私は制服に着替え弁当を出した時、音楽室のドアが開いた。

「あっ!いたいた!探したよ橋村さん!」

そこには先ほど話した桐谷さんが立っていた。

「えっ!桐谷さんどうしたの?」

私はとても驚いた。

「はい!これを橋村さんに」

渡されたものはメロンパンだった。

「さっき保健室に連れていってもらったからそのお礼。橋村さんに拒否権はないからねー。」

桐谷さんがいたずらぽく笑った。

「えっ!‥いや、でも私は保健委員だから連れていっただけだよ?」

「これは、本当に私の気持ちだから受け取ってよ。」

そう言って桐谷さんは私の手の中にメロンパンを置いた。

「あ‥ありがとう。もらっておくね。」

「うん!ねぇ、私もここでお昼食べていいかな?」

「えっ!う‥うん。」

「じゃあ、食べよ!」