「いっつもは、ストレートなのにね。
嫌味なしで風強かったのか」
「うん、佳織はバスだもんね」
佳織はバス通学で、風にはあまり当たらない。
家からバス停までも近いらしくて、尚更だ。
それから、自分のヘアブラシを持ってきてくれた佳織がヘアアレンジをしてくれた。
「いいよ、出来た。今日一日、私とお揃い」
「わーお、仲良しみたいだね。
ありがとう、崩れたら直してね」
崩さないようにしなさいって、
言われたけど崩れたら直してくれる佳織は優しい。
そんな冗談を言いながら、ポケットに手を突っ込んだ。
「はい、お礼に飴ちゃんを差しあげよう。
葡萄とピーチでいいかな?偶然出たやつ」
「飴ちゃん、て。いいのに、ありがとう。
あとで舐めるわ、キャラメルあげる」
佳織はたまに髪を結んでくれるから、常備してる飴をプレゼントする。
そしてキャラメルをくれる。
(お礼じゃなくなってる気がするけど、美味しいから貰おう)


