言えるわけもなくて。
ちょっと他の事に気をとられていただけです、と答えた。
【勉強じゃなくても、悩みなら聞くぞ?
言いづらかったらいいけど、遠慮するなよ】
【悩みって程じゃないです、趣味に没頭してただけです】
なんで、なんで。違うのに、全然違う人間じゃない。
圧倒的な違いに気づけばそのうち、この人も何も言わなくなるだろう。
やり過ごせば、自分の心地良い生活が出来る。
【そうか、趣味を持つのも良いことだが、勉強は疎かにするなよ】
最初は仕方がない、いつもそうだったと言い聞かせる。
私の事を気にいらないか、こういう人かと姉とは違うと気づいて接してくるか。
どっちなんだろうか、初めからどちらかにしておいてほしい。
【お前もやれば出来るんだから、わからないと思ったら姉に聞け。聞いたら教えてくれるだろ?】
あぁ、そうきたか。違うとわかっていながら、同じように期待する。
勉強が何よりも好きなら、始めからもっと努力してる。勉強が全てじゃないと思っている私は間違っているの?
好きじゃなくても授業で頑張っているじゃないか。
勉強が好きな姉とは、そこから違うんだと気づく人はいない。
姉の筋が良ければ、必ず遺伝してるのかよ。


