歴史系はよくわからないし、図鑑も何だか違う。
漫画や話題のノベルや、映画化の決まったものもごく一部あったが得意じゃない。
誰が読むのってくらいなかなか古い本もあったけど、その割には綺麗に保管されていた。
結局決められないまま、ぐるぐるぐるぐる何周もしていた。
ら、
「何か探してるの?よかったら、手伝うよ」
と、本を手にした上級生に話しかけられた。
誰だろう、見た事ある気がするけど思い出せないし。
(善意で気にかけてくれたんだろうけど、何周もしてたの見られてた?)
「いや、どんなのあるか見てただけなので大丈夫です」
実際そうなんだけど、もういっその事おすすめ聞いてしまおうか。
(でも面白いと思えなかったらな、最後まで読まないのも失礼だし)
「そっか、ごめんね。突然声掛けて」
「いえ、こちらこそ。
あの、図書委員なんですか?」
困ったような顔で言われたから、本当に善意な提案だったのだろう。
それがわかったから、悪いことは無いけどいたたまれなくなって話題を変えた。
本の管理でもしていたのかなと思って、率直な疑問を投げかけた。


