僕は、物心ついた頃から良く変な夢を見ていた。



夢と言うより現実感があって誰かの記憶・・・そんな感じがする。


その夢には、何時も桜のように綺麗な女性が出て来てその隣には、何時も薄茶髪の男装が居る。


だけどその男性は、どことなく僕に似ていて変な感じだ





「やはり、ここに居たのか・・・」



桜の前でウトウトとしている不意に後ろから声がした。


声の主は、一君だ



「別にいいでしょ?桜の木を見ていると懐かしく感じるんだからさ・・・」

「そうか・・・それより、羅刹が3体ほど逃げ出したとの事だ。副長達は、先に行っておられる俺等も行くぞ」

「はぁ・・・分かったよ・・・」




僕は、面倒臭そうに返事をして先に行った一君の後を追いかけた。




でも、何でだろう・・・


もうすぐあの女性に会える気がするのは・・・





「・・・・・・まさか、ね?」





僕は、この時まだ思いも寄らなかった。

これから僕等の運命が大きく変わるということを・・・この時の僕等は、まだ知る由もなかった。