「まぁ、お前らが考えてるところとはちょっと違うかな」

「ん?それはどういう?」



私が思ってる魔界は……

いつも夜みたいに真っ暗で怖くて、ガイコツのカラスが空を飛び回っていたり。

ケルベロスが歩いてたり、変な笑い声をする老婆が住んでいたり?



とにかくジメジメしてて、暗いイメージ。



「詳しくは言えないけど、何でも手に入る。欲しいと望めば、何だって。だから嫌な場所じゃない」

「そう……なんだぁ?」



そっかぁ。

魔界でのアーラの立場って凄いんだよね。

それをすっかり忘れてたよ。



「じゃあ、そろそろ帰るかな」

「うっ、うん!」



その言葉を待ってましたとばかりに立ち上がると、

正面に立ったアーラに抱きしめられた。



「はっ……!えっ……ちょっ?!」

「離すなよ」



アーラはまた八枚の翼を開くと、何の躊躇いもなく超高層ビルから飛び降りた。