「ぎっ……ぎゃあぁぁあっ!」



空っ……!

もしかして空飛んでる!?



だって同じ目線に電線がある。

下を向けば、家の赤い屋根が見える。

それに……ぐんぐん視界が上昇していく。



「ひっ……」



アーラの首元に必死でしがみついた。



落ちたら間違いなく死んじゃう!



「どうだ?楽しいだろう?お前ら人間には出来ないことだろう?」

「やっ……」



楽しいってそんなはずないでしょおぉっ。

そう思っても声が出せないほど怖いんだから。



「そんなに力入れるなよ。大丈夫だって、万が一落ちたら拾ってやるから」

「はっ……はぅぅ」



拾ってやるとかそういう問題じゃないっ。

今すぐ……今すぐ私を下ろしてぇぇえ!



「はいはい、分かったよ。じゃああそこに下ろしてやるよ」



心の中の叫び声が聞こえてしまったのか、間近にあった高層ビルの屋上に下ろしてくれた。