私とアーラが付き合ってる?

何を思ってそんなことを言ってるの?!



ね、奏ちゃん?

だなんて優しい笑みで顔を覗き込まれ、不覚にもキュンとしてしまった。



母はしばらくアーラを見つめた後……

「はっ?えっ?本当に奏の彼氏なの?ねぇっ、アンタいつの間にこんなイケメンな彼氏が出来たの?!」

やたらとイケメンを連呼し始めた母は、驚きよりも喜びの方が大きいみたいだ。



「いや……その。さ、最近……かな?」



お母さん、見た目に騙されたらダメだよ。

彼は悪魔なんだから。



なんて忠告をしようものならきっと私は即死だろう。

言えない、絶対に言えない。



「そうだ!ねぇっ、翼くん!良かったらウチで夕飯食べて行かない?」



何てことを言い出すの、母よ。