「ほんっとアーラは神出鬼没だね」

「まぁな。お前ら人間とは違って、瞬間移動も出来れば姿を隠すことも出来るからな」



瞬間移動のみならず、姿を消すことも出来るとは。

なるほど、だから毎回アーラの気配に気付かないわけだ。



「で、将太。お前に報告があって来たんだ」



アーラは私から次咲くんに視線をスライドさせ、ブレザーのポケットから黒いメモ帳を取り出した。



「え……報告、ですか?」

「俺が不幸に陥れた、三人の現状と未来についてだ」

「未来……ですか?」



アーラが不幸に陥れた三人といえば……。

佐々原くんと田村くん、園山くん達のことだよね。



確かに現状が気になる。

ってゆうかそれよりも、未来についてってどういうこと?



「ねぇアーラ。まずその黒いメモ帳はなんなの?」

「これか?これはな、俺が触れた人間の、未来が事細かく書かれた物だ」



未来が事細かく書かれたものぉ?

なにそれ……そんな物が実在するの?



「あの……詳しくご説明頂きたいのですが」



次咲くんも同じ疑問を抱いたようで、すかさず黒いメモ帳について突っ込んだ。