いつの日かアーラは私の中で、

守りたいと思えるほど大切な存在になっているって気が付いたんだ。



すぐ殺すとかって脅してくるし。

ワガママだし俺様だし、時には無理難題を押し付けてきたり。

悲しむ姿を見て笑ったり。



悪い箇所を上げたらキリがないくらいだけど……。

悪魔なのに、優しい部分があるのも事実で。



アーラはそのつもりは無いのかもしれないけど、私は何度も助けられたんだ。



本来ならすぐ殺さなければならないはずなのに、今も尚生かしてくれていることも。



出会わなければ良かったって何度も思ったけど、

出会えて良かったと思う瞬間が増えてきた。

失ったものもあるけど、得られたものだってあるから。



だってアーラがいなかったら、こんなにも夜景が綺麗だなんて思わなかったよ。

それに次咲くんと仲良くなることもなかったのだから。



アーラにニンマリと微笑みかけると、ウザイとばかりに顔を逸らされてしまった。



「お前みたいな人間は苦手だ」

「えぇーっ。なんでぇ?」

「会話をしていると調子が狂うんだよ。クソッ」



アーラは一段と深いため息をつくと、帰るぞと呟き翼を広げた。