「はぁ?何?」



麻里子ちゃんを筆頭とする、ヤンキー女子三人組が一斉に立ち上がった。

彼女達の威圧的な瞳は、真っ直ぐに紗千を捉えている。



「麻里子ちゃんは垣内くんと付き合ってるんでしょ?」



紗千……。

まさか私を庇ってくれた?

な、わけないか。



これはきっと、保健室でアーラと交わしていた約束だろう。



垣内くんをどうにかする。

その前に、その彼女である麻里子ちゃんも気に食わないから攻撃を仕掛けよう。

と言ったところだろうか?



「だから?それが何?」

「つーかなんなのよ?紗千、アンタ喧嘩売ってんの?」



強気な性格が揃いも揃っているギャル達も、一歩も引く様子は無さそうだ。

寧ろ臨戦態勢ともとれる、そんな雰囲気だ。



「じゃあ釣り合ってないとか、そうやって僻むのはやめなよ。黒羽くんだって不快になるよ」



いや、不快になるのは私の方だよ……。

挑発的な態度を取られたのは私だけなんだから。