「一緒に教室に行こうよ」

「えっ?あ……」



ちょっ、校内では並んで歩きたくないんだけど。

あらゆる女子の反感を買いたくないんだもん。



また麻里子ちゃんに怒られるかもしれないし。

柏崎さんだって……。

保健室の様子から察すると、まだアーラに好意があるようだし。



「校内では……校外ならいいけど……」



返答に困っていると、

「そばにいるって言っただろ?」

強く手を引かれ、拒否権は無いとばかりに歩き出した。



「ちょっと……!」

「周りなんかどうでもいいだろ」

「よくないよ!」



これ以上辛い思いはしたくない。



そう強く言い返すと、

「俺が守ってやるって。だからくだらねぇことは考えんな」

驚いて思わず足を止めてしまうような、アーラらしからぬ言葉が返ってきた。



そう言ってくれるなら……いいかな?

めちゃくちゃ目立つことは避けられないけど、アーラがそばにいてくれるなら。



次咲くんはこの言葉すら信じるなって言うだろうけど……。

私は彼を信じるって決めたんだもん。



私の味方でいてくれるのなら、周りなんてもういいや。

私はアーラと一緒にいたい。