「何で泣きそうな顔してんだよ」

「べ、別にっ。そんなことないよ」



じわりと込み上げてくる涙を拭くと、無理矢理笑顔を作った。

アーラは何を思ったのか立ち上がると、私の目の前まで来て足を止めた。



そして私の目線に合わせてしゃがみ、じっと見つめてくる。



「なっ、ななななに?」



やだ、なんかこのシュチュエーション。

至近距離で見つめ合っていると、キスした時のことを思い出しちゃうよぉぉ。



「やっぱり泣きそうになってんじゃん」

「あっ、いやっ!大丈夫、もう大丈夫だから!」



アーラは何を思ったのか、その細く白い指で頬に触れてきた。



「ひゃっ……!」



なに、なに、なにーっ?!

もしかして、これはもしかするとまた??



キス……しようとしてるんじゃないの?!



「……なんか顔が真っ赤になってっけど?」

「やっ!それはっ、アーラが……距離が、近過ぎて……」



はぁぁぁ、ドキドキし過ぎて上手く喋れない。

だってまた近いんだもんっ!

なんか顔が近いんだもんっ!