とも言えるはずもなく……。
黙って聞くことしかできなかった。
「確かに黒羽はイケメンだけど、ちょっと真面目くん過ぎない?」
「関係ないしー。顔が良ければ何でもいいから、私」
さすがメンクイー、だなんて周りは笑ってるけどさ。
それ、ぜんっぜん笑えないからね?
「でも黒羽ってさ、二十日奏と付き合ってるんだって?」
ギャルの口から自分の名前が出た瞬間、ドキリと胸が飛び跳ねた。
やだ……。
何を、何を言われるんだろう……。
「んなもん嘘っしょ。全く釣り合ってないし。二十日奏とかただの地味子じゃん」
地味子、ねぇ。
黒髪ノーメイクの私は、派手なギャルから見れば確かにそう見えるのかも……。
「それもそうだねー、可愛くもないし。それに、黒羽と一緒にいる所もあんまり見ないしね」
アーラは気まぐれで登校するからなぁ。
確かに、校内で会話する機会ってあんまり無いかな。
「そうそう。つーか例え二人が付き合ってたとしても、二十日奏に負ける気しないから。あんなブスなんかに」
うぅぅ……。
それは言い過ぎなんじゃないですかぁ。

