「……なんだこれ？」

「えっ？」



いやいや、なにその白けた反応は。

そっか……。

クレープを知らないんだね。



「得体が知れないな」

アーラはクレープを受け取らず、食い入るように眺めている。

何かの生き物だと思っているのだろうか。



「これはね、クレープっていうオヤツだよ。とっても美味しいから食べてみて？」

口元に持っていってみても、アーラはソレに噛りつこうとはしなかった。



寧ろ迷惑ともとれる表情を浮かべ、

「絶対にいらない」

気持ち悪い物を見ているかのような……そんな眼をしている。



「えぇ〜……そんなぁ」



じゃあ私、二つも食べなきゃいけないのぉ？

そりゃあないよ……トホホ。



ってゆうか、

アーラは魔界で一体何を食べてるっていうの？

こんなに美味しい食べ物を、口にしたくないだなんてっ！



「分かったよぅ。だったら二つ食べちゃうもんねーっ」

「はいはい、どうぞどうぞ」



もぉっ……。

思い描いていた理想と全然ちがーうっっ！